葬儀関連企業まとめ・比較

葬儀系M&A企業を比較

投稿日:

b6fc13ef3185885e3beaba86d0a12f9f_s-min

葬儀関連のM&Aで注意すべきは、葬儀社自体が地域密着型の企業であるということに尽きます。全国規模の葬儀社・冠婚葬祭互助会が台頭し、葬儀のシステムはかなり全国的に均質化してきましたが、それでも各地域には風習や独特な作法が色濃く残り、無視されるべき要素ではありません。買収元が経営状態を数値だけで判断し、再編の際にムダやムラを省こうとした結果、地域からの支持が得られなくなってしまったら、本末転倒です。

一方で、買収元にとっては、葬儀社が地域密着型の企業であることそれ自体がM&Aのうまみになります。地域のユーザーに信頼され、愛着を持ってもらい、ずっと支持されてゆくためには、長期間にわたってのたゆまぬ努力が必要です。M&Aを利用すれば、地域に愛されながらも後継者不足にあえぐ企業の助け舟となれるうえ、安心や信頼を丸ごと引き継ぐことができます。とくに同業他社によって吸収合併を行う際には、単なるシェア拡大以上の意味を持つでしょう。

以上のように、当然のことではありますが、とくに葬儀業界のM&Aは機械的に業務提携や事業譲渡を行えばよいというものではなく、売却元が築いてきたノウハウや葬儀にかける想い、地域とのつながりを重んじる必要があります。仲介会社を選ぶときには、双方のコミュニケーションを大事にし、きめ細かなサポートを行ってくれるかをチェックする必要があります。ただ、機密性を考えると、あまりに多くの仲介会社に相談を持ち掛けるのも危険です。そこで今回は、葬儀業界のM&Aを手掛ける仲介会社6社の報酬や実績を比較しました。最後には、比較表には上らない各社の特徴も解説しています。

参考:葬儀業界の過去の主要なM&A

時期

売り手

買い手

スキーム

2015年

エポック・ジャパン

アドバンテッジパートナーズ

株式譲渡

2015年

帝都葬祭

メディアサポート

株式譲渡

2015年

牛久葬儀社

こころネット

株式譲渡

2014年

徳島末広殿互助会

ウェルズベルモニーグループ

事業譲渡

2013年

積善社

ユウベルグループ

株式譲渡

2013年

GEN

エポック・ジャパン

株式譲渡

2013年

郡山グランドホテル

こころネット

株式交換

2011年

へいあん秋田

日本セレモニー

株式譲渡

2008年

第一互助センター

サン・ライフ

事業譲渡

2006年

公善社

メモリード

株式譲渡

2006年

タルイ

燦ホールディングス

株式譲渡

2006年

フリーダム

ティア

事業譲渡

2006年

洛王セレモニー

エポック・ジャパン

株式譲渡

2005年

葬仙

燦ホールディングス

株式譲渡

引用:https://www.integroup.jp/industry/funeral.htmlより

 

葬儀系M&A企業6社の報酬・実績比較

 

着手金

月額報酬

中間報酬

成功報酬

ほかサービス・オプション

実績例

インテグループ

なし

なし

なし

完全成功報酬制

買収価格ベース

レーマン方式※

(最低額500万円)

企業価値算定サービス(無料)

MBO支援

葬儀会社のM&A実績あり

老人ホーム、グループホーム、保育園など福祉施設において実績多数

M&A Capital Partners

なし

なし

最終成功報酬額の10%

株式譲渡対価ベース

レーマン方式

ファインディングサービス

協業サービス

ブライダルの株式譲渡実績あり

貨物運送系、医療・調剤薬局系の実績多数

日本M&Aセンター

あり

なし

なし

移動総資産ベース

レーマン方式

事業健康診断

成長戦略コンサルティング

株価算定

PMI

葬祭業での実績あり(譲渡2件、譲受3件)

製造・土木・卸分野で実績多数

M&A総合研究所

なし

なし

なし

買収価格ベース

5億円以下4%~100億円以上1%

無料で利用できる直接交渉用プラットフォームあり

飲食、IT、福祉業など

かえでファイナンシャルアドバイザリー

なし

なし

なし

株価額格ベース

レーマン方式※

(最低額500万円)

PMIコンサルティング

株価算定

財務デューデリジェンス

資本政策アドバイス

食品メーカー、ゼネコン、飲食など

ミツキタアドバイザリー

なし

なし

なし

買収価格ベース

1000万円以下150万円~1億円以下450万円

1億円超からはレーマン方式

事業価額算定

会計・労務アドバイザリー

小規模財務デューデリジェンス

老人福祉施設、調剤薬局など医療福祉分野に実績あり

※レーマン方式

M&A取引で一般的に使われる、以下の表のような報酬体系

売買金額

5億円以下

5%

5億円超~10億円以下

4%

10億円超~50億円以下

3%

50億円超~100億円以下

2%

100億円超

1%

それぞれの会社の特徴

次に、比較表からは見えてこない各社の特徴についてご案内します。

インテグループ

inte-min

インテグループは、霞が関に本社を置くM&A仲介会社です。設立は2007年で、大阪にも事務所を構えています。中堅・中小企業のM&A支援に特化しており、完全成功報酬制をとっているのが特徴です。

会社の経営陣が株式を譲り受けたり、事業譲渡を受けたりすることでオーナー経営者として独立するMBO(マネジメント・バイアウト)支援を積極的に行っているため、いわゆるのれん分けを考えている企業にとっても相談する価値があります。

インテグループ:https://www.integroup.jp/

M&A Capital Partners

capital-min

capital

丸の内にあるM&Aキャピタルパートナーズは、M&A仲介事業を専門とする会社です。主に中堅・中小企業を対象に、M&Aの選択肢を提案しています。無料のオンラインマッチングサービスを行っており、売却・買収ともに案件情報を閲覧することができるのが特徴です。

また、買収ニーズに合わせたファインディングサービスを行っており、要望にマッチする会社のオーナーへアプローチし、M&Aの可能性を探ってくれます。実際にM&Aを検討する際、中間報酬は、基本的に双方の合意ができてからの発生となります。

M&A Capital Partners:https://www.ma-cp.com/

日本M&Aセンター

nihon

日本M&Aセンターは、1991年に設立したM&A支援の専門会社です。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、札幌、中四国、沖縄に営業所があり、全国をカバーしています。なお、シンガポールにもオフィスを構え、アジア全域のM&A支援を行っています。

企業評価やMBO支援のほか、企業再生支援や経営計画のコンサルティングを行うなど、サポート的なサービスが充実しているのが特徴です。なお、サイトにアップされているだけでも葬祭業での実績が5件あります

日本M&Aセンター:https://www.nihon-ma.co.jp

M&A総合研究所

sougou

売り手自身が買い手と直接交渉できる無料のプラットフォームを設けているのが、最大の特徴です。また、仲介サービスではレーマン方式よりも1%ほど安価な手数料体系を採用しています。

M&A総合研究所:https://masouken.com/lp01

かえでファイナンシャルアドバイザリー

kaede

かえでファイナンシャルアドバイザリーは、中小・中堅企業の事業承継、M&A、会社売却に特化した事業を展開しています。本社は丸の内にあり、ほか大阪と京都に事務所を構えています。

2019年第一四半期には、REFINITIV(旧トムソンロイター)「日本関連M&Aリーグテーブル」で、みずほフィナンシャルグループや大和証券を押さえて2位を獲得しました。詳細な希望案件一覧を掲載しているのが特徴です。また、ベンチャー関連のM&Aにも強みがあります。

かえでファイナンシャルアドバイザリー:https://www.kaedefa.com/

ミツキタアドバイザリー

mitsukita

神戸市にあるミツキタアドバイザリーは、中小企業・個人事業のM&A仲介に強みを持つ会社です。関西圏を中心に事業を展開しています。会計や労務についてのアドバイザリーも行っているため、事業継承やM&Aのみならず、再生案を教えてほしい、内部管理を充実させたいといった段階から相談できるのが特徴です。

ミツキタアドバイザリー       https://www.mitsukita.com/market/funeral

まとめ

紹介した6社は、強みも料金体系もさまざまです。自社の要望を再確認し、より希望にマッチするサービスを提供している会社にアクセスしなければなりません。また、各社が行っているマッチングサイトやプラットフォームを利用し、適合案件の有無を確認するのも必須となります。

葬儀業界は今後さらに大手や異業種からの新規参入業者によるM&Aが進み、競争が加速化することが見込まれています。業界内のみならず周辺産業にも広く目を配り、現代人のニーズに沿った新たなサービス展開を常に考えていかなければなりません。機を逃すことなくM&Aを叶えらえるよう、最高のパートナーとなる仲介業者を見つけましょう。

  • この記事を書いた人
奥山晶子(おくやましょうこ)

奥山晶子(おくやましょうこ)

1980年 山形県生まれ
2003年 新潟大学卒業
    冠婚葬祭互助会に入社し葬祭業に従事
2005年 退職
    書籍営業代行会社に入社
2006年 退職
2008年 出版社へ入社
     ミニコミ『フリースタイルなお別れざっし 葬』発刊

著書に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』(文藝春秋刊)、『「終活」バイブル』(中公新書)がある

奥山晶子の記事一覧

注目記事

1

「供養業界」という言い方 いつからか、そんな昔ではなく、2004(平成16)年以降であろうが、葬儀業、墓石霊園業、仏壇仏具業等を「供養業界」という言葉で括られることが多くなった。 もっとも世間で一般化 ...

碑文谷創の葬送基礎講座13 2

「僧侶手配」という事業 「僧侶手配」という名称こそ新しい。しかも「お坊さん便」以降はネット系葬儀斡旋事業者がこぞって類似の表現をするようになった。 しかし「僧侶手配という事業」は、首都圏ではすでに30 ...

碑文谷創の葬送基礎講座12 3

アマゾン「お坊さん便」へ全日本佛教会が理事長談話 2015(平成27)年12月24日、全日本佛教会は当時の理事長であった齋藤明聖氏の名前で「『Amazonお坊さん便 僧侶手配サービス』について」という ...

-葬儀関連企業まとめ・比較

Copyright© 葬研(そうけん) , 2019 All Rights Reserved.