湯灌・納棺は顧客満足度を高める「故人のケア」
葬儀関連のフェアでは、納棺士のデモンストレーションや講習会にたくさんの人が押し寄せます。プロの手つきを見るみんなの表情は、真剣そのもの。それもそのはず、誰よりも故人の状態をより良いものにしてあげたいと願っているのは、一日に何度も故人のお顔を拝見する葬儀担当者ではないでしょうか。
遺族は、長い入院生活でやせてしまった故人の顔を見ても「しょうがない」と感じ、日を追うごとに変化していく顔色を見ても「こういうものなのだろう」と諦めてしまう場合が多いと思われます。それは、湯灌・納棺技術による故人の変化を知らないためです。
ラストメイクで見違えるように故人が輝きだす、その瞬間を知っている葬儀担当者にこそ、湯灌・納棺の意義を遺族に知らしめる使命があるといえるでしょう。湯灌・納棺は顧客に多大な満足感をもたらし、葬儀の付加価値を高めるサービスです。
プロの納棺技術を前面に押し出した葬儀を行い、業界内でも話題になっているのが「おくりびと®のお葬式」を展開するディパーチャーズ・ジャパンです。葬儀でも火葬でもなく、納棺という儀式に焦点を当てたプラン展開の新しさが話題を呼んでいます。代表の木村光希氏は、2018年のエンディング産業展でも宮崎健介氏の生前葬をプロデュースし、納棺技術を披露して注目を集めました。故人のケアが最高の付加価値となりうる現代、プロの納棺士を派遣してくれる7社をご紹介します。
納棺士による湯灌・納棺の流れ
まずは納棺士による一般的な湯灌・納棺の流れを確認しておきましょう。会社によって細部は違いますが、おおむね以下のような流れです。なお、葬儀社がオプションとして遺族へ提示する場合、湯灌・納棺すべて行って8万円から10万円ほどが相場となります。
項目 |
手順 |
湯灌・納棺共通 |
硬直を解き脱衣を行う |
湯灌
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バスタブの上に故人を安置し、タオルをかけたままシャワーで洗体・洗髪する。遺族立ち合いの場合は、ひしゃくなどで故人の身体に逆さ水をかける儀式を行うことも |
身体を拭き、詰め物や傷などの手当をして布団に故人を休ませる |
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納棺
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白衣や好みの衣装に着替えを行う。遺族立ち合いの場合は着替えを手伝ってもらうことも |
死化粧を施し、髪形を整える |
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棺へ故人を休ませる |
※湯灌のみ、納棺のみの場合もある